まあ中古好きっていうのはわたしが吝嗇であるがゆえという点も決して否定出来ないのだが。いいカッコ言わせてもらえば、古いモノを選んでしまうのはモノを作った人々の「どや顔」を受け止めたいからなんですよね。
「どや!この出来栄えは!」とか「どや!この部分の構造の妙は!」って顔を製品を通して感じたい。もちろん現行の製品であってもそういう表情が感じられるモノはたくさんあるのだけど、やはりどうしても現在のシビアなビジネス環境ではオーバークォリティが許されにくい。マーケティングなるものを突き破る熱情をモノを作る人々が維持しにくい空気が漂ってるわけで。”色気”と”節約”を両立させるのは至難の技なのです。
デザイナーであるわたしは出来得る限り「どや!」っと得意顔ができるような仕事を心がけてはいるのですが、プラベートな領域ではどうしたってまだモノ作りの現場に余裕のあった時代に作られたモノ、モノづくりの構造が転換される前の時代のモノを選んでしまうのです。
下の写真は年末に組んだ90年代のパナソニック「レ・マイヨ」。ツール・ド・フランスで日本のフレームメーカーとして初めてマイヨ・ジョーヌを獲得した大阪のオッサンたちの「どや!」があちこちから顔を出しています。
追記:Sさん、アウターローは見なかったことにして...。