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”森田童子のPV”と称するファイルが置いてあるサイトを偶然発見。そんなんあるはずないやん、どうせ「高校教師」のビデオクリップやろ?と半信半疑で見てみると、まごうことのない「動いている」森田童子の映像だった。
恥ずかしい話だけど、ちょっと泣けてしまった。 自分の中で一番情けなくて一番眩しい時期を思い出してしまったからだ。 当時熱狂的なミッシェル・ポルナレフファンだった高校生の私は、ポルナレフと似た森田童子のアフロヘアーとミラーサングラス姿に惹かれて乏しい小遣いを割いてレコードをジャケ買いしたのだ。一曲目を聞いてすぐにこれは私のために作られた歌だ!と胸に刺さり、それからはほぼ毎日聞いて暮らした。 ご多分に漏れず当時の私は太宰の事を理解できるのは自分だけだと思い、また殆ど意味がわからないくせにマルクスやエンゲルスの著作を持ち歩く、どこにでもいる生意気な高校生だった。ここにはないどこかに自分の居るべき場所があると思い死ぬことばかりを考えているような、今思えば本当にありふれたこどもだったのだが、その頃は父母との折り合いも良くなくて自分の事を理解してくれる人は世界中にどこにもいないんじゃないか、と深夜にストーブの炎を眺めながらヘッドフォンから聞こえてくる森田童子の歌声に没入していたのだ。 その頃からは随分遠くまで来てしまった。 若かった自分は思い出すととても恥ずかしいが、同時にとても愛しい。 追記: YouTubeにも同じビデオクリップがアップされていた。
by sivaprod
| 2005-12-17 06:45
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