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ZINGARO(ジンガロ)の最新演目、LOUNGTA(ルンタ)を見た。
といっても来日公演はとっくに終わっているのでDVDでの鑑賞である。 随分以前友人からフランスで見たというZINGAROの話を聞いてから一度見たいもんだと思っていたのだが、今回の来日公演は東京だけであり、なおかつエルメス協賛といういささかスノッブな香りの漂う冠が付いていたので何となく行きそびれているうちに見逃してしまったのだ。 思い描いていた雰囲気とは少々違ったがなかなか面白かった。 いろんなところで取り上げられていると思うので演目の詳細は書かないが、チベットの声明をバックに馬と人との絶妙の演技が凝った舞台装置の元で繰り広げられる。 アクロバティックな演技はそう多くなく、静的かつ観念的なシークエンスが重ねられていくのでCirque du soleilのようなショーを思い描いて見ると肩すかしを食らうかもしれない。 ショーそのものも面白かったが、DVDに収録されている主催者であるバルタバスのインタビューが興味深かった。 今回のショーになぜチベット僧侶が唱える声明を起用したかを解説しているのだが、そのなかで彼は東洋と西洋という対立概念を強調する。 彼はチベットの僧侶たちに接して感じた知識と智恵の融和や宗教と日々の生活との親和性に憧れ、それに対してヨーロッパ人の権威主義や宗教と生活の遊離を語るのだが、東洋人のわたしとしてはそれが面白かった。 イスラム教は近年「文明の衝突」とまで言われるようにキリスト教とは相容れない対立概念として捉えられているのに対し、相変わらず仏教はヨーロッパの知識人には自分たちの置かれた閉塞的な状況を止揚するエキゾチックな思想としてニーズに応えているようだ。
by sivaprod
| 2005-07-31 05:08
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